
西麻布の隠れ家フレンチ「白寧」(はくねい)は、ミシュラン一つ星を最年少で獲得したシェフ・林大氏が手掛ける一軒。

フランス料理と和食の融合。春の食材を活かした繊細な味わいでした。

軍鶏筍
コースの幕開けは、軍鶏と筍の組み合わせ。軍鶏の深い旨味と京都の筍のシャキッとした食感が絶妙で。食欲を掻き立てます。

新玉ねぎ
続いて、玉ねぎのアイスクリーム。砂糖を一切使わずに発酵させて甘みを引き出した玉ねぎのおいしさが凝縮してます。

桜鱒
燻製させた北海道のサクラマス。玉ねぎのピクルスや千切りにしたグラニースミス。上にはりんごのソース、底にはバジルのソース。

春野菜
31種類の山菜を使ったサラダ。揚げたもの、茹でたもの、焼いたもので様々な食感。

ホワイトアスパラガス 地蛤
底には蒸したハマグリとホワイトアスパラガスの茎。濃厚な旨みが卵のなめらかさを感じるスクランブルエッグと絡み合う。ホワイトアスパラガスの出汁のあんかけ。上の方には生のまま細切りにされたホワイトアスパラガス。口の中で溶けるような食感に感動。

アオリイカ九条 キャビア
アオリイカのねっとりとした甘さに、薪で焼いた九条ねぎのほろ苦さがアクセント。キャビアの塩気が全体を引き締め、和とフレンチの融合が絶妙に感じられる一品でした。

鰻フォアグラ 蕎麦
蕎麦粉のガレットで巻いていただくスタイル。鰻ふっくら香ばしく焼き上げられ、フォアグラクリームと濃厚な組み合わせ。山わさび、レモン汁、サラダやガレットで食べ進めていくとさっぱりまとまる。

金目鯛桜海老 ジロール茸
金目鯛のふっくらとした身に、桜海老の香ばしさとジロール茸の芳醇な香りがマッチ。ソースのバランスが絶妙で、素材の旨味が最大限に引き出されていました。春らしい香りでした。

仔羊 椎茸
メインは仔羊の優しい甘みを感じる肉質に、徳島県産の天恵菇(てんけいこ)椎茸の旨味が深いコクをプラス。ソース自体からも椎茸の旨みの塊が感じられます。

ホタルイカ 菜の花
炊き込みご飯です。

ホタルイカの濃厚な旨味と、菜の花のほろ苦さが春の息吹を感じさせる一皿。ご飯の1粒1粒にホタルイカの出汁が乗っていて、噛むたびに深い味わいが広がります。
お土産には次の日の朝食にと余ったご飯でおにぎりをいただきました。

ブラッドオレンジ
デザートの前の箸休め的な存在としてグラニテが登場。ブラッドオレンジの爽やかな酸味と甘みが口の中をリセットし、次への期待を高めてくれました。

あまりん蕗の薹
美しいデザートです。

あまりんのテリーヌ、桜の花の香りを抽出したゼリーで閉じ込めてます。あまりんとロゼワインのソースで一層あまりんの良さが引き立ちます。ふきのとうのアイスと合わせながらいただきます。

ミルクレープ
締めくくりのミルクレープは圧巻。お店の看板メニューにもなってます。白寧の丁寧に仕事をする意味を込めた30層にも及ぶ薄いクレープ生地とクリームが織りなす滑らかな食感はまさに絶品。

まずはミルクレープの味わいを堪能した後に、日向夏と湘南ゴールドを合わせたジャムと合わせていただきます。今記事を書いているこの瞬間でも記憶に残り続けるコースの締めくくりにふさわしいデザートでした。
白寧の林シェフの27歳でこの才能は驚きました。現代茶寮 銀座風月堂のシェフも若かったけどさらに。
若い才能は追っていくと面白い。あまり大きな声では言えないけど若手のショコラティエでもネームバリューがある巨匠よりもクオリティー高いショコラを作る方が出てきてます。実力が完成されていてもさらに伸びしろがあるのだとワクワクするわけです。