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抹茶の季節に、小さな一枚を選ぶ理由
空気が少し冷たくなり、熱い飲み物を手に取る時間が増えると、チョコレートの存在感が変わってくる。甘さよりも“余白”を感じさせる一枚を選びたくなるのは、静かな時間に似合う味を知っているからかもしれない。
そんな流れで手に取ったのが、明治「チョコレート効果 濃い抹茶」です。高カカオシリーズは、香りの立ち上がり方や舌への残り方に個性が出やすい。そこへ抹茶を重ねるとどうバランスが変わるのか——その微妙な変化にこそ、味わう意味があります。
商品概要:高カカオ×抹茶という構成の意図

「チョコレート効果」シリーズは、カカオ含有率によって味の出方が大きく変わります。72%はハイカカオの入口としてやさしく、それ以上になると苦味の角が立つ。そこに抹茶の渋みという横方向の苦味を加えたのが「濃い抹茶」です。
カカオの直線的な苦味に、抹茶の要素がどう絡むか。旨味や甘味ではなく、“苦味の重なり”を見るタイプのチョコといえます。
パッケージ:視覚的な「落ち着き」の演出

抹茶系商品は明るい緑で華やかさを出すことが多いですが、このパッケージはやや深い緑で光沢を抑えています。シリーズ共通の硬質感はそのままに、ほんの少しだけ抹茶特有の柔らかさを残す設計。それだけで、味の方向性を言葉にせず伝えてきます。
開封の瞬間:香りの層が微かにずれる

個包装を開けると、まずカカオの苦味を連想させる乾いた香りが来る。抹茶はすぐには表に出ず、かすかに青い香りが後ろから追いかけてくる程度。香りの出方に間があることで、「濃い抹茶」という名の“濃さ”がどう作用しているかを考えたくなる。

表面は滑らかで、粉末感は極力抑えられている。指に少し体温が移ると、チョコレート効果シリーズ特有の薄皮のような柔らかい溶け方を予感させる質感になる.
実食:苦味と渋みが交差する、小さな時間の変化

口に含んだ瞬間、カカオの苦味が一歩先に立ち、そのごく短い間を空けて抹茶の渋みが舌の側面にふわりと触れます。甘さの主張は、完全に消えているわけでもなく、一度引いてから薄い層として戻ってくるところが面白いです。
溶け始める速度はシリーズ標準ですが、抹茶の存在があることでチョコのみの時よりも香りの上がり方が段階的になります。飲み込んだあとは、カカオの余韻に抹茶の青さが薄いフィルターのように残り、味がすっと消えるのではなく、じっくりと静かに退いていく感覚になります。
まとめ

この「濃い抹茶」は、派手に抹茶を主張するタイプではありません。むしろカカオの苦味という直線に、抹茶の渋みというカーブをそっと重ねるような一本です。
「抹茶味」を期待して甘さや香りを求める人にはやや硬質に感じるかもしれません。ただ、苦味を“どう重ねるか”という視点でチョコを選ぶ人には、ちゃんと届くバランスがあります。
詳細情報

メーカー:明治
商品名:チョコレート効果 カカオ72%濃い抹茶
内容量:1箱 55g(個包装タイプ)
カロリー:1枚あたり約29kcal









