初心者でも簡単にできるチョコレートのテンパリング

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こんにちは!チョコレートくん(@chocokuncom)です。

今回は家庭で簡単にできるチョコレートのテンパリング方法について解説します。
当記事でご紹介するやり方は、初心者でも失敗しない再現性が高い方法です。

テンパリングには水冷法、シード法(フレーク法)、タブリール法といった様々な方法があります。今回はその中で「水冷法」で行い、かつ失敗しないための工夫として「低温調理器」を使用します。

テンパリングとは?

テンパリングはチョコレートを美しい艶&口どけになるように固めるための手段です。チョコレートの中の油脂分は「I型」〜「IV」型まで6種類の結晶型を持つ複雑な構造体です。結晶型はそれぞれ溶け出す温度(融点)が異なります。この6つの結晶型で固形として安定していてかつ、口の中に入れたときになめらかに美味しく溶けてくれるのが唯一「V型」となります。

テンパリングは油脂分の結晶型を「V型」にするための作業なのです。

チョコレートはテンパリングしないで固めるとどうなる?

チョコレートはテンパリングなしで型に流し込んでも一応は固まります。しかし、指で一瞬触れただけで溶けてしまったり、食感がボソボソしたり、風味が悪かったり、ブルームしてしまったり、良いことは何一つありません。テンパリングはチョコレートにとって必要不可欠なのです。

テンパリングの手順

チョコレートの温度を上げて(融解する)、下げて、また上げるのがテンパリングの作業工程です。
テンパリングの作業温度はチョコレートの種類によって異なります。以下の表をご参考ください。

融解温度 下降温度 調整温度
ダークチョコレート(カカオ分70%) 45℃〜50℃ 26.5℃〜27.5℃ 30.8℃〜31.3℃
ミルクチョコレート 45℃〜50℃ 26.0℃〜26.5℃ 29.0℃〜29.5℃
ホワイトチョコレート 45℃〜50℃ 24.5℃〜25.0℃ 28.0℃〜28.5℃

テンパリング初心者が低温調理器を使うべき理由

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初心者がテンパリングを失敗する原因の大半は決まっています。最後のチョコレートの温度を上げる(調整)工程で失敗します。調整温度を超えてしまって、V型の結晶角が融解してしまうことが原因です。

温度計で測れるのはあくまでチョコレートの表面温度。ボールの底や周りのチョコレートは、湯煎の温度の影響を受けやすく調整温度を超えてしまうことがあります。低温調理器を使えば、湯煎の温度が設定温度を超えることがありません。要するに失敗しようがないのです。

また「水冷法」でテンパリングを行う場合、調整温度を安定させるために300g以上チョコレートが必要です。低温調理機があれば100gほどのチョコレートの量でテンパリングが可能となります。家庭で作る場合恩恵を受けやすいです。

では、今回はカカオ分70%のチョコレートで実践します。



テンパリングをやってみよう!

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まず、大きなボールでも桶でも良いので水をためて、低温調理器を先ほど載せた調整温度のMAXの温度に設定します。今回はダークチョコレートなので「31.3℃」に設定します。ミルクチョコレートなら29.5℃、ホワイトチョコレートなら28.5℃となります。

温度を上げる(融解)の工程

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まず、60℃くらいのお湯で湯煎してチョコレートを溶かします。

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チョコレートが完全に溶け切ったこと、かつ温度が45℃〜50℃になったことを確認できたら、温度を下げる工程に進みます。

温度を下げる工程

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今度は氷水を使って、チョコレートの温度を26.5℃〜27.5℃になるように下げます。
ここでいくつか注意点があります。

氷を入れすぎない
急激に冷却した場合、ボールの中のチョコレート全体の温度が一定にならない恐れがあります。緩やかに温度が下がっていくのが理想。

ヘラで均一に混ぜる
ボールの中にチョコレートの温度がまばらにならないように全体を均等に混ぜる。テンパリング工程で攪拌は大切です。低温調理器を使ったテンパリングの情報を探すと、ジップロックの中にチョコレートを入れて行うものを見かけます。攪拌できない時点でアレはありえない。

※ボールの底のチョコレートが固まってきてしまったら、一度氷水のボールから外して、ヘラで混ぜ込む。

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さて、ボールの中のチョコレートの変化わかりますか?
重たくなって、ヘラでかき混ぜると跡が残ります。
これがテンパリングの下げ成功の証です。

ダークチョコレートの下降温度26.5℃〜27.5℃だけでなく、チョコレートの重たくなった状態も確認して下げが成功したか判断します。

温度調整(再び上げ)

blank最後にチョコレート30.8℃〜31.3℃に上げていきます。

ここでようやく低温調理器の出番です。
水冷法でテンパリングを行った場合、最後の調整で32.0℃超えたら失敗します(ダークチョコレートの場合)。
水温が31.3℃に保たれているので、調整温度を超えることはございません。
ここが低温調理器を使用する醍醐味です。

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チョコレートの温度が調整温度まで上昇したらテンパリングが終了です。
ボールの水気をきれいに拭き取って型に流し込みましょう。

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是非、低温調理器を使ってチョコレートのテンパリングをお試しください。

家でやってみよう!カカオ豆からチョコレートの作り方

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